年頃オンナと父と介護と

アルツハイマー→ピック病と診断が変わった父、同年代が愛だ恋だの言ってる時から介護と戦う乙女の日記!!

認知症患者にとっての眼科

ある日、ものもらいになってしまった父を眼科で診てもらったところ、目の状態が芳しくないと先生に言われ、詳しく診てもらうようにと言われました。

しかもなるべく早めにねって、、、、

私もその時はまだ仕事をしていたので、なかなかすぐに連れて行ってあげれなかったので、最初の診断から早2ヶ月くらい経ってしまいました。

後日、県内の眼科専門のクリニックへ行ったところ、白内障の手術をしないとちょっとその他の病気になるリスクが高いとのことで、急遽白内障手術という大イベントを乗り越えなければなランクなりました。。

 

手術の前に何回か検診で病院へ通うのですが、

まーーーーーー大変。

視力検査って普通だったら「上、右、下」とか言って終わりですけれど、

集中力がない父は、3列ある視力検査の表のランプが(オープンな広い空間に3台の視力検査の台がある病院でしたので)自分の所以外が付いてしまうと、

そちらに目がいってしまい、どれを見るのかわからない。

矢継ぎ早に言われる検査士の方の言葉が理解できず、力んでしまい汗だく。そんなに早口じゃあないんですけどね。。

見えてるあの形の一体何を言えばいいのかわからない。

検査士の方も一生懸命「電気ついてる所だよ〜輪っかの切れ目がどっちだかいってね〜」

『?ワッカ?』『黒い輪っかの切れ目がどこだかだよ』

一生懸命見ようとするから、身体の上体が動きまくりなので後ろに立って父を支える私。

父はものを見て何かそれを右、左といった自己判断を口にすることがかなーりできなくなっているように感じます。物事をうまく説明できない。

検査士の方が「手で形つくってもいいよ〜」といってくださったので、

私も、ほら、こういうのとかさ!と手で真似をするとちょっと理解したのか、

ひたすら硬い腕を捻りながらんん〜コッチ、と格闘していました。

 

他の日には「ひらがなにしてみましょうか」と検査士の方の提案で

ひらがなを答えようとするも一番上の『え』は言えたものの、

その下に続く『こ』『に』がなんだか二つ同時に目がいってしまい、今自分がどっちを答えるのかがすでにわからず、どっちだか『???』といった感じでした。

 

 

視力検査もさることながら、視野の検査はもっと大変で、

大きな半円の中に顔を入れて正面の5mmほどの穴を見ながら、なおかつ視界にレーザーの丸い白い光が見えたらボタンを押す、というものでした。やったことある方はわかるかと思います。。

①ずっと一点を見つめる

②目線をずらさないまま視界を注意する

③丸い光が見えてきたらボタンを押す

今の父には3つのミッションをクリアするのは至難の技です。というか1つもねぇ。。

 

こんなんでほんとの視力や視野なんてわかんないよな〜。。

 

父は自分でもうまく言えない、かつ視力が下がってしまったという悲しい感情が残ってしまったようで、その後はとてつもなく疲れてしまっていました。

私はただ側についてあげることしかできず、なんとももどかしいものです。

 

最初は眼科の看護師さん、検査士さん方はいちいち何か検査のたびにくっついてくる私を、何もそんなに心配しなくても、、と思っていたようですが、

検査の状況を見て、あ、なるほどね、といった具合に察してくださいました。

 

認知症患者にとって、自分の体の悪い部分を自分で表現する、

ということがとてつもなく大変なのだということを

ぜひ多くの方に知っていただきたいです。